幻想種。
遥か古来より存在する、人間の恐れ、信仰、願望などの『想い』から生まれた、科学で解明できない生き物たちの総称だ。
幻想種は、神々。竜種。妖精。神話生物からはじまり、伝承に童話に妖怪、都市伝説など多岐に渡る。
科学が発展した現代においても、人間の強い欲望に反応したそれらは人知れず世界に害を及ぼしていた。
そんな幻想種たちが起こしている問題事専門の組織がある。
日本にある十の幻想対策組織。そのうちのひとつ、東京都を管轄とする『幻想課』……もとい警視庁刑事部・捜査第五課。
幻想種や、幻想種の力を悪用する者が引き起こす、常識や科学では解明不可能な事件や事故の数々を解決するため、
彼らは日夜奔走している。
新米警察官の一人である間宮稔は、
十年前に自分の異母兄が引き起こした幻想種絡みの事件に巻き込まれた被害者の一人だった。
行方をくらませた異母兄を見つけ出して逮捕し、法の裁きを受けさせるため警察官となった稔は、
刑事となるべく努力する日々を送っていた。
そんなある日、交番でいつものように仕事をしていると
近隣住民から「マンションの一室からひどい悪臭がする」と通報を受けるのだが──?
キャラクター
間宮 稔
(まみや みのる)
主人公。とある幻想事件に巻き込まれ、五課にスカウトされた新米警察官。寺生まれで、生まれたときから幻想種が視えていた。
紅葉
(もみじ)
天真爛漫な座敷童の少女。同種の個体の中でも優秀で賢い。声が人間に届かず、喋ることができないため、筆談で会話している。
姫条 彰
(きじょう あきら)
五課に所属している刑事。課内ではもっぱら戦闘を担当しているが、基本頭脳派。炎鬼と名付けられた鬼と幻想契約している。
天上院 江琉
(てんじょういん える)
五課に所属している刑事。幻想種との混血である混じりの一人で、水を操る。出自のせいなのか、あまり人間が好きではないらしい。
神崎 累
(かんざき るい)
五課の課長を務める、十歳前後の少年。見た目に反して大人びており、部下である彰たち刑事のまとめ役。夜更かしが苦手で甘いものが好き。
永井 仁美
(ながい ひとみ)
五課に所属している刑事。派手な見た目をしているが、十年警察官として働いているベテラン。人脈が広く、情報収集に長けている。
エリス・エンブリー
五課に所属している刑事で、累の補佐役として付き従う男性。基本的に五課の面々が滞りなく仕事ができるようにサポートしている。
ルサルカ
五課専属の医者。五課メンバーの心身の健康維持をサポートしているほか、被害者の処置や病院の手配なども担っている。
・ ・ ・
間宮 亮
(まみや りょう)
導師と呼ばれている男性。日本各地の幻想対策組織が行方を追っているが、姿を知っているのは五課の一部のみ。稔の異母兄でもある。